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2008年07月16日
石の彫り方をシリーズで書いています。

先回は、彫り・ならしを飛ばして
磨きについて
書いていましたので、「E」でした。。
順番がばらばらですみません。

今回は彫りのことを書きます。

まず、
を彫るというとき、
を彫るのとはだいぶ感じが違います。

道具を見ると、わかりますが・・・


こんなノミ先をしています。

上は、タンガロイ
といわれる、超硬チップを埋め込んで真鍮で溶接してあるもので、先が丸くなれば研いで使います。
下は、鉄のムクのノミで、フイゴで火作りをして使います。



木は、切って彫りますが。
石は、はがすとか、割るという感じです。

以前、このブログにあげた

この作品をみて、
「なんでこんな点々の痕をつけたのか」
ときいてこられるひとがありましたが。
これは、彫りっぱなしなのです。

(ちなみに、大理石など軟らかい石については、切るような彫り方も出来ます)


今日は、
石は割るようにして彫るということについて、書きました。

Cでは、彫るときに使う、いろいろな道具について、書こうと思います。




2008年06月27日
石の彫り方について、シリーズで書いています。

先回は石を割ることについて、
書きましたから、
順番にいくと、

粗取りほりならし 

・・・そして、
磨きと行くのですが、

写真がないので、
今やっている、磨き作業について、
今回は書かせてもらいます。

石を
ノミ



で彫った後、

ならして、
砥石(といし)




を使って磨きます。

写真を見ると、番号がふってありますが、
これは砥石の荒さ(番手)を表しています。

番号が小さいほうが荒いんですね・・・

30、60、180 は、
勝手に「これくらい」とつけてあるだけで、
道具屋さんでは、それぞれ、
荒目、中目、細目。
といって売られています。

180番のものに、
黒いもの(黒砥)と緑の(青砥)がありますが、これは、硬さが違うんです。

黒砥は硬く、
青砥はやわらかい


磨く場所によって、使い分けます。

ちなみに、黒砥、青砥は、
荒目〜細目(30、60、180)にあります。

磨く時には、基本的に、番手≠、
倍、倍、と、上げていきます。

例:30→60→180→400→800→1500→3000

はじめ、
30くらいの番手では、石が少し削れて行く感じで、
「磨く」というより、引っ掻いてゆくようなイメージです。

ですから、30番をかけた後は、
たくさんの引っ掻き傷がついています。

400番くらいまでは、その傷を消してゆく感じ・・・



見にくいかもしれませんが、
写真の、左の方は180番をかけてあり、右のほうは400番です。

このように、少しずつ番手を上げて行くのですが、
指の入らない狭いところは、磨きにくい。。

そこで、
このように


砥石を薄く切ったものを割り箸に接着して、
狭いところを磨きます。

誰が考えたのかは知りませんが、
すごい発明です。

これに限らず、彫刻をするときは、
いろんな道具を工夫していきます。

学生のとき、韓国からの研究員が教えてくれた
曲がりノミ


これなんかも、可能性を大きくひろげてくれます。

使い方は、今度彫りのときに書くかも知れません。。


そうして、400番からは、磨きあげて行きます。

ここで気を抜くと、
磨き残しや、曇りが出来てしまうので、
注意しなくてはなりません。

全体に色鉛筆で線をひいて、磨き残しを防ぎます。

かなり力を入れないと、曇った感じが残るので、
はじめは渾身の力で、たて、横、斜め、まる、と砥石を動かしてゆくのですが、次第に力を緩めて、最後はなでるくらいにすると、きれいになるように思います。

こうして磨いててゆくと、
たまに小さな石の粒が混じりこんでくることがあるんですが、そのときの、
チーッ
とひっかいたときのいやな感じといったらないです。

また
番手を二つ三つ戻してやるので、
自分に向かって、
「おーい、気ぃつけんかよぉ」
と、いってしまいます。

そうして、3000番まで、磨きます。


ここで、蛇足かもしれませんが、
磨いてないと完成ではないとか、
傷やムラがないほうがいいのだということは、必ずしもいえないと思います。

石と触れ合うなかで、素材の特質を感じて、
それを表現につなげているので、
磨きも、その選択肢のうちの一つです。

そういう、素材をどうやって扱っているかということも、鑑賞のひとつのポイントではないかと思います。







2008年06月19日
以前の記事の書き直しです。
石の彫り方シリーズということで
石の割り方について、
追加などして書いています。

石を割るとき、前回書いた三マタなどを利用して、
石の下に敷いてある木(「番木」・ばんこ)を
そのように入れます。

石の自重も利用して割るので、
割りたいところの真下に、番木と、
もっとキチンとやるときには、その上に、
細い鉄の棒をしいてやるときれいに割れます。

また、木には木目があるように、
石にもがあり、
それに沿って割るときれいに真っ直ぐ割れます。
以前石の職人さんが、この石目を利用して、
このあと出てくる豆矢一個で、
手際よくどんどん薄い板状に石を割っていくのを見た
時には感動しました。
〔茨城県にある高田石材(株式会社タカタ)の紹介ビデオ〕


そして、番木を置いて・・・


先日、石を割ったあとの写真


平たいかたちの石の、左の方を使うために、割ったところです。
少し分かりにくいですが、割れた面のところに小さな棒状のものがうつっています。
これがいつもとってもお世話になっているセリ矢です。
約10センチ間隔で、ドリルで穴を開けたところに、このセリ矢を打ち込みます。


写真の右側のものがセリ矢(と「羽」)です。
両側のはというもので、を打ち込むほどに、穴の中で羽が広がって、石を押し広げて割る仕組みになっています。
打ち込んで、写真左の石頭(せっとう)で叩いていくのですが、矢がキいてくるにしたがって、叩く音が高くなっていくんです。

あんんまり一気に叩くと、表面にしか矢がきかないので、少し間をおきながら叩きます。

しばらくすると、「もうそろそろだぞ」って、音がしだして、間もなくボゴとかメギョとか、グボとか、という音とともに、一瞬で割れるんですが、その瞬間はたまりません。。。
大学のときは、石を割るクライマックスになると、みんなで集まってその瞬間を楽しんでいました。

割れたあとの石は、とても鋭くなっているので、
ハンマで叩いてカドを落としてやると安全です。

矢を取り出したりするときに気をつけないといけないのは、
絶対に石と石の間に手を入れないこと、
急に石が傾いてきて指を挟んだら、
大ケガにもなりかねません。

どうしても手を入れる時には、木などを挟みますが、
普段から、安全な行動をするクセにしておかないと、
ふとしたことで事故になりかねません。

これくらいは大丈夫
って言うのはナシにしようと、心がけています。

・・・難しいですが(汗)


矢にも、
今回使った比較的厚みの少ない石割り用の、
セリ矢の他に、
厚みのあるもの用の、おとし矢というのがあります。
以前、コメントで教えていただいた動画がありますので、興味のある方はこちらをどうぞ。
石の奥のほうでキかせるもので、
表面でキかせるセリ矢と併用されることも多いです。

上、2点は、ドリルの丸い穴で使うものですが、
ノミなどで四角い穴を開けて使う、
マメ矢トビ矢というのもあります。

画像等なくてすみません。
また追加するかもしれません。


今日は、石の割りかたの説明でした。。


2008年06月10日
石ってどうやってほるの?
って、よく聞かれます。

「ノミとハンマーで・・・」と答えながら、
そんなこと聞かれてるわけじゃないよなって思います。

美術全般、そうでしょうが、
彫刻は特に、身体性ということが
大きな要素だと思います。

自分の作品を知っていただくためにも、
石の彫り方を説明することの大切さを感じています。

そこで、これからシリーズで、
石の彫り方について説明してみます。
ヘンなところや、間違っているところなど
ありましたら、ぜひ、教えてください。





まず、石を彫るときには、石を動かさなければなりません。
今日は、石の動かし方。。

石の重さは、水の約3倍

1尺(約30センチ)四方のかたまりを一切(いっさい)という単位で表現します。

その一切で、70〜80kgあるということになります。

ややこしいですが、要するに、
石は重いということです

そこで、石を動かすやり方を知らないと、石彫は出来ません。
ですから学校では、石の動かし方について、たくさん学びました。

いろいろな道具や機械がありますが、
一番いいのは、
 人力=マンパワーです。

みんなで「せえの!」
ってやれば、何百キロもあるものも動かせます。

一仕事終えて、飲み物が振舞われたり。

ですが、人がいないときや、
人の力では動かせないものの場合は、
機械や道具が使われます。

クレーンや、フォークリフトテコジャッキなど、いろいろありますが、
使いようによって、ものすごく便利なのが、
三マタチェーンブロック

これさえあれば、(あと時間と体力があれば)
たいていのことが出来るスグレものです。

これ

余計なものも写っていますが、
三本足の棒を組み合わせてあるのが三マタ
その上の方に吊り下げてあるのがチェーンブロック。

原理は簡単で、巻きもどらない滑車のようなチェーンブロックで、石を吊り上げたり戻したりして、いろいろに動かせるわけです。

この三マタは、自家製で、3トンくらいまでは耐えられます。
足をもう一段、ジョイントして、伸ばすことも出来、
2.5メートルちょっとの高さまで吊り上げることが出来ます。

これさえあれば、一人で、
フォークリフトのよな機械がなくても、
ある程度の仕事が出来ます。

たとえば、写真の石(約1トン)を向こうからこっちにもってきたいときは、
吊点を、石の真上より、少しこっちにずらした状態
にして、
持ち上げます。
すると、石は、ズりながら、こっちのほうに来て、
持ち上がる。

そこで、一旦おろして、三マタをこっちにずらして、
そこでまた持ち上げる・・・・

ということを何回か繰り返して、運んで来ます。

フォークリフトを使えばあっという間に出来ること
ですが、手間をかければ、そんなものがなくても出来るわけです。
貧乏彫刻家の、ものすごく頼れる存在です。

他にも、持ち上げたところに車を入れて、
ユニック(クレーン)のついていないトラックにも載せたり、おろしたりも出来、
ほんとに、なくてはならないものです。

石を立てたり寝かしたり、積み重ねたりと、
他にもいろいろ出来るやつで、大好きな道具の一つです。

今日はそんな三マタとチェーンブロックでの石の
動かし方の紹介でした。




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プロフィール
 
昨年から富山に帰って彫刻をしている。いろんな仕事をしながら、(?)制作にいそしんでいる。大きな石が彫りたい。。
作者名平田昌輝
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